春先くらいに、超特急がバズるにはどうしたらいいのか割と本気で考えたことがあった。DISH//がバズるきっかけになった『猫~THE FIRST TAKE~』は、TFTというスタダ発のコンテンツでもなければ曲も数年前にリリースしたCDのカップリングで、更に北村匠海(DISH//)という扱いで発信されたものだった。そして猫になったんだよな、一億人が…。この出来事を受けて、何が起爆剤になるかは本当にわからないものだと多くのオタクが思ったことだろう。DISH//にしろ超特急にしろ、彼らには路上でフリーライブをやっていたころから積み上げてきた実績と実力があり、いつでも売れる準備はできていた。大事なのは宣材・戦略・タイミングである。私は結構新規8号車の「これがきっかけでハマりましたブログ」を読むのが好きだったりするのだが、本当に入り口は様々で、彼らのこなしてきた仕事の幅広さに感嘆する。しかしやはり、超特急にダンスでバズってほしいという気持ちは常にあった。そこに舞い降りたBULLET PINKである。一人でも多くの人に彼(女)らを見てほしいという気持ちが更に強くなった。
超特急は、可愛くあることを恐れないグループである。詳細が解禁される前は、女装じゃなきゃダメなのかとか、なんでこのタイミングなんだろうとか色々思うこともあったけど(というか今もわかんないんだけど…)蓋を開けてみれば、女の子の格好をしていようとも、その可愛さの質は私が普段見てきたそれと寸分相違なかった。私が彼らを好きな理由の一つが、本人たちも自称するように、「何にでもなれる」グループであるところである。超特急がNylon JAPANに毎月掲載して頂いている連載企画・Virgin Expressに、『New Power No Border』という回がある。
というメッセージがとても好きである。『New Power No Border』は、Nylon JAPAN15周年のメインコピーにもなっており、超特急がNylonのイズムを表現する存在として起用されたことも大変に嬉しかった。冒頭で彼らは息をするように女装するグループだと言ったが、最初こそ面白に走ったり奇をてらうようなノリもあったかもしれないが、少なくとも私が見てきた限りでは、彼らは不似合いな女の子の恰好をすることによって笑いを取ったり、誰かを辱めるような意図でそうしてはいないように思う。パーハロで披露した欅坂46(これは女装ではないけど)にしろモノマネ紅白のTWICEにしろ、他人の姿を借りる以上は常に対象へのリスペクトがあり、独自の「カワイイ」を極限まで追求している。かっこよくあることもかわいくあることも、彼らが彼らである上でごく自然なことなのだ。もちろんそれを彼らが好んで行っているかどうかは分からない。本当はやりたくないかもしれない。そういう意味での「いいの?」という困惑はもちろんあったしこれからもあると思う。ただ少なくとも推しは心底この「変身」を楽しみ、強かに有効活用している(ように見せてくださっている)ので、私もありがたくそのお祭りに乗らせて頂いている。いや、ユーコ本当にかわいすぎるんだがマジで。