世界はまだ夜明けを待ってる ーBULLET TRAIN ARENA TOUR 2022「新世界 -NEW WORLD-」前夜に寄せてー

ついにこの日がきてしまった。明日、超特急にとって怒涛の2022年の締めくくりであり、新生超特急の本当の意味での初日ともいえる、BULLET TRAIN ARENATOUR 2022「新世界」が幕を開ける。オリジナルメンバー5人、そして4人の新メンバーを合わせた9人で、これから先の10年を走り抜けることを約束してくれた8月8日から今日まで、大げさでなく本当にこの日のために生きてきた。明日からは、彼ら自身さえ知らない、まだ誰も見たことのない世界が始まる。そしてそれはきっと、今いる場所が遥か遠くに見えるようなとても大きな一歩になると思うから、明日にとっては遠すぎる今日の気持ちを忘れないようにここに認めておく。

いつか「その日」が来ることは、なんとなく予感していた。だけど不思議なことに、彼らがそれを選択することは、選択しないことと同じくらいの確度で存在していた。彼らが超特急として夢を目指し続けることと、超特急として変わらず在り続けることは、プライオリティが全く同じものだから。

私は2015年に超特急と出会ってから今に至るまで、2度の体制変更を経験している。その時の心情は割愛するけれど、心に穴が開くとはこういうことかと身をもって思い知った。この先も超特急を好きでいられる自信がなかったし、好きでいられなくなることが悲しくて、怖くて、毎日泣いた。それでも私は今なお、超特急を好きでい続けている。辞めたのが推しじゃないからだとか、そんな無慈悲なことは言わないでください。5推しがあの2人を失って、何の感情もないわけがないじゃないですか……!

私がこの7年間超特急を変わらず愛し続けられたのは、彼らが超特急を諦めなかったからだ。超特急は、彼らの夢そのものだった。人数やコール、フォーメーションがどんなに変わっても、超特急はずっと私の大好きな超特急のまま在り続けてくれた。彼らは頑固で、諦めが悪くて、苦しい時ほど笑っていて、多分めちゃくちゃ傷つきながらオーストラリア行ったし、多分めちゃくちゃ泣きながらA kind of loveという素晴らしい楽曲も世に送り出してくれた。あの頃はオタクもメンバーも悲しみのあまり頭がおかしくなっていたので、乳首出したり腹筋したりなんかもうめちゃくちゃで今思うとそれもひどく愛おしい。私は怒りと悲しみで半狂乱になりながら、「早く新メンバーをいれてくれ」と叫んでいた。もしあの時本当に新メンバーが入っていたとして、それを受け入れられていたかどうかはわからない。でも結果的に彼らはこの4年間、徹底的に8号車に寄り添ってくれた。

ユーキさんは昨年末の超×D10周年ライブで、超特急は夢を叶えないと終われないグループだと言っていた。私はそれを聞いて、猛烈に感動した。好きになってからずっと、ことあるごとに超特急売れろ!と言い続けて、同じような時期に生まれたボーイバンドがどんどん飛躍してもどかしさを感じる一方で、大きなハコはコンスタンスに埋めることができていて、売れろ!と思うのはオタクのエゴで、案外彼らは現状に満足してるのではないか?一般的に見れば十分に「成功」しているのではないか?と思ったりもした。でもそれは大きな間違いだった。彼らはデビュー当時からの夢をずっと見失っていなかったし、超×Dであの挨拶をした時には、次の10年のための決意が既に宿っていたのだ。そして彼らはその決意を冠した2022年春ツアー『Progress』の初日、わざわざ8号車の前で、新メンバーを募集することを発表した。私はそれを受けて、私の愛した7人時代の超特急が本当の意味で終わってしまうんだなと感じつつも、心のどこかで、彼らがやっと彼ら自身のための選択をしてくれたことを喜ばしく思っていた。

『超特急募』の反響はとても大きかったように思う。私自身、喜びと寂しさが最後まで同居していたけど、それでも8号車の間には一様に、「5人が選ぶ人を信じたい」という希望のようなものがうっすらと漂っていたように思う。選考プロセスも(映像を見た限りでは)非常に丁寧なものだった。最近流行りの公開型オーディションのように、選考過程を含めてエンタメにするのではなく、徹頭徹尾「超特急の超特急による超特急のためのオーディション」だったし、『超特急募』の選考基準は、メインダンサー・バックボーカルという唯一無二のスタイルの再定義だと思った。そして厳しい選考を勝ち抜いて迎えられた新メンバー4人は、希望の光そのものだった。超特急に選ばれるのも大変だが、超特急に「なる」のはもっと大変だ。きっとこの5か月余りは、彼らの人生を劇的に変え、そして人生で最も大変な時期だったんじゃないかと勝手に想像してしまう。超特救にはじまり、新曲のリリースとイベント、全国行脚、アリーナに向けた怒涛の歌入れ振り入れ、想像するだけで体がいくつあっても足りない。そして明日、彼らは本当の意味で超特急になる。

「新世界」のテーマ曲、『NEW WORLD』は、そんな新章の幕開けにふさわしい曲である。ツアーに先駆けて公開されたリリックビデオを見て、そんなつもりはなかったのにびしゃびしゃに泣いた。

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超特急が「ゆかりの地」を駆け抜けるという内容で、知らない人からしたらただ走ってるだけの映像である。でも私にとってはそれが何より重要なのだ。超特急は、超特急として生まれたその日からずっと走ってきた。辛い時も苦しい時も、彼らは走ることをやめなかった。そして超特急である限り、彼らは走り続けるのだと思う。

超特急の楽曲は、七つの大罪からごはんに合うな回鍋肉まで幅広いけど、大多数の曲は彼ら自身の歩みと重なる。超ネバギバダンスもgr8est journeyもfanfareもBillion Beatsもシンクロニズムもa kind of loveもクレッシェンドも、与えられた曲をただ歌って踊るだけではなくて、彼らが彼ら自身の人生を載せて歌い、踊ることで、全て『超特急』という物語の主題歌にしてきた。そして楽曲の感情は、ライブを通じて何度も何度も共有されてきたように思う。この『NEW WORLD』も、きっとライブで披露された瞬間が本当の誕生の瞬間だし、ライブで生まれた感情や思い出が、この先の彼らを支えてくれる。曲調や歌詞は違うけど、NEW WORLDという楽曲はある意味TRAINでもあるし、走れ!!!!超特急でもあるし、超ネバギバDANCEでもあると思った。つまりこれは彼ら自身の決意表明。昼日中ではなく夜の街をひた走る彼らの姿がまた泣けて仕方なかった。彼らはずっと暗夜行路を走ってきたから。誰に見られることもなく、暗闇の中で光を目指して走る姿に、この10年の歩みが重なった。そしていつだって、夜明け前が一番暗い。

まあなんやかんや言うてますけども、やっぱり突き詰めると『感謝』しかないんです。感謝、感謝、超特急に感謝。結成日やCDデビュー日や誕生日といった節目だけじゃなくいつもそう思ってるけど、やっぱり言っておこうと思います。いつもありがとう。ユーキさんにも言いたい。今年はあなたにとってきっと、とても大変な年だったと思う。でも私は今年ほど、ユーキさんを好きでいてよかったと思った年はないよ。いつだって超特急のために全てを捧げてきたユーキさん、時に酷な決断をしたり、自分を犠牲にしたり、矢面に立たされたこともあったでしょう。でもそのすべてが報われて、結果につながる時は近づいてるよ。私はどんな時だってユーキさんの信じるものを信じてる。だからこれからも、あなたの思い描く理想の世界を見せてください。

超特急が超特急として在り続けてくれることで、私の人生にもたらされたものは計り知れない。彼らを見て、この世界に溢れるたくさんの愛を知ったし、愛する喜びも愛される幸せも与えてもらった。何度も人生を肯定してもらったし、彼らに恥じない自分であるために、自分の人生を豊かにするための勇気をもらった。私が8号車でいられるのは、超特急が存在してくれているからなのです。彼らが彼らでなかったなら、本当に今の私はいないと思う。だからありがとう。辛い時も苦しい時も、超特急でいてくれてありがとう。超特急を諦めないでいてくれてありがとう。9人の超特急が本当に大好き。それはそれとしてTEFBの話は一生すると思うけど、どの時代の超特急も愛してるのは、ほんとだよ。

代々木は私にとっても始まりの場所である。超特急を愛したい、と思う時、いつも心は代々木に帰ってくる。明日、ここから始まる新たな物語を目撃できることを楽しみに、新幹線が止まらないでくれることを願って(…)寝ます!みんな!!!!!新世界で会おうな!!!!!!