2016年総括(寺社仏閣編)

前回の記事でも少し書きましたが、2016年は『刀剣乱舞』絡みで色々なところに行きました。

 

 


2015年のサービス開始から巻き起こった刀剣ブームを受け、ゲームに登場する刀剣ゆかりの寺社や刀を所有する美術館・博物館の協力により日本各地で刀を目にする機会がぐっと増えました。
刀剣乱舞のキャラクターは、単に刀を擬人化したものではなく刀の付喪神という設定なのが秀逸だと思う。
古来より刀と人との関わり方は武器だったり宝物だったり芸術だったり様々ある中で、刀そのものでなく、人と刀の間に生まれた物語こそ刀剣乱舞のキャラクターなのである。展示を見に行くと、この刀の特徴はこういうところから来ていたのか、というルーツを知り、キャラクターの立体感が増すのがとても面白い。刀のある場所は大体風光明媚なので、観光を楽しんだり、御当地の名物に舌鼓を打つのも楽しい。
なにより一番嬉しかったのは、日本全国に散らばった友達と会う機会が増えたこと!
どこかで刀が公開されるとなれば、それを目指して計画を立て、それを楽しみにお互い仕事などを頑張り、数か月に一回ペースで小旅行する。とてもリフレッシュできました。
周りに歴史好きで勉強熱心な和ジャンルおばさんが多かったこともあり、ふわっとした知識しか持たない私でも充実感を得られる旅行が出来て本当にありがたかった。教養によって旅行はますます楽しくなるのだな、実感した一年でした。
2015年から数えると恐らく100振り弱くらいは観賞したと思いますが、未だに審美眼の身についてない私に比べ、近頃友達は刀を見ると「これは○○派だね」とか「ここの煮えがどうこう」とか専門的な知見が備わっているので本当にすごい。私ももうちょっと頑張ろう…。
結構色んなところに行ったのでそれも記録しておこうと思います。

 

【奈良・京都】


3月、2泊3日で奈良・京都へ。
当時仕事が激務で心身ともに枯れ果てていたのでものすごく癒された思い出。
それぞれ日本各地から奈良に現地集合し、レンタカーでまずは薬師寺へ。奈良は道が広いしどこも混雑せずスイスイ行けて車移動大正解だった。

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ポスターのクセが強い


今回の旅行は薬師寺で大倶利伽羅廣光が展示されるらしいというので計画したものの、我々が行ったときには展示日は決まっておらず、法人が所有する他の名刀が多く展示されていました。思いがけず五条国永の太刀が見れたのが嬉しかった…!細身で優美で、太刀という名前から受ける印象と結びつかないほどしなやかで美しい刀でした。私がゲーム内で一番好きなキャラクターが鶴丸国永なんですが、鶴丸国永は現在宮内庁保管の皇室御物であり、生きている内に目にする機会が果たしてあるかどうかという具合なので、物は違えど同じ刀工の作品を見ることができたのはとても嬉しかったです。
その次に向かったのが唐招提寺平城京跡。
なんと見事な平城京!いやほんとすごかった。何もないだだっ広い道にいきなり巨大な門出現した時の驚きはすごいよ!
そのあまりの広大さに年甲斐もなくテンションが上がり、久々に全力ダッシュした。

 

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2015年に一度お邪魔した三条小鍛冶宗近さんにもまた行きました。相変わらず若草山の麓で鹿たちがのんびりしてるのどかな風景は和む。あの時買った包丁は今も使っていますが、本当にストレスなく何でも切れるので、おかげで前よりよく自炊するようになりました。切れ味良すぎるのでしょっちゅう爪をぶったぎってますが(菜箸すらも切った)形は変われど本質は時代を超えて受け継がれているのだな~と実感。

 

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旅館に着き、夕食までまだ時間があるねえと話していたところ、受付のお姉さんにちょうどこの時期は東大寺でお水取りなる行事をやっていると教えてもらい、どうせなので見に行くか~!と再び外出。夜の東大寺に入るのも貴重な体験だった。お水取り(修二会)とは、お坊さんが松明を持って回廊を駆け回り、その松明から舞い落ちる火の粉を浴びるとその一年は無病息災になるという行事。てっきりオリンピックの聖火みたいなのを想像していたら燃え盛るでっかい杉玉みたいなのが出てきて火の粉がパラパラどころかブッシャアア!!!と降り注いでおり、えっこれ火事にならないの!?下の人焼けてない?!とハラハラしながら見守った。

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しかも火の粉の振り落とし方もお坊さんによって個性が出ており、豪快にダッシュしながら勢いよく振り落とす人、徐々にまき散らしながら最後に天空へ突き上げるひねりのきいた人など、オッこの人はパフォーマンス力高いね!この人はダッシュがピカイチだね!などと言いながら見てましたがとても面白かったです。
その後、宿に戻り大和鍋(うまい)と地酒(うまい)で飲んだくれて温泉入って一日目終了。

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大和鍋(うまい)



二日目は京都へ。丁度刀剣スタンプラリーの開催中だったので、回れる限り回るべく早朝から行動。
まずは墨染の藤森神社へ。かつて鶴丸国永が御神刀として祀られていた神社であり、私のたっての希望で組み込んだにも関わらずいざ行くとなると┣¨ 緊張してしまい、同行者に気を遣わせてその節は本当にすいませんでした。
早朝のため参拝客はまばらだったものの、パネルが置いてある付近には審神者と思しき女子が列をなしており、私が鶴丸国永に並々ならぬ想いを抱いて(平たく言うとこじらせて)いることを知っている友人たちは「写真撮ってあげるから行っておいでよ!」と背中を押してくれたものの「無理!!!!!!!!!!」と断固拒否して結局引きで写真を取るに留まった。その写真がこちらです。

 

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遠。

ただのパネルやんけという感じでしょうがその時はなんかもう無理だったんだよ。多分今でも無理ですね。だって鶴丸国永だよ……いや〜…無理だ…。
お守り刀を購入し、おみくじを引いて京都市内へ移動。
豊臣秀吉ゆかりの豊国神社に寄り、次に向かったのは壬生寺。和おばならだいたい通ってる新撰組。何だかんだ今まで行く機会がなかったので来れてよかった。
前田邸(屯所跡)には近藤勇土方歳三ゆかりの二振りのパネルが置いてありましたがなんかめっちゃ窮屈な場所にねじ込まれてたの笑った。

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その後大覚寺渡月橋へ。パネル撮ったり当時できたばっかりだったアラビカコーヒー飲んだりして更にまた洛中へ戻って源氏の重宝が一振髭切を見るべく北野天満宮へ。
宝物館の受付が17時までのところ、16時58分頃に到着したら受付のおばちゃんが「ここ売り場ちゃうで!!奥行って!ダッシュ!!!」とめっちゃ急かしてくれた。お陰で無事入れました。ありがとうございました。髭切は太くてがっしりしてて強そうで、鬼を斬ったと言われても納得の佇まいでした。物につく名前というのは意味があるなとしみじみ。梅が綺麗だったな〜。大学京都だったにも関わらず梅の時期に北野天満宮に来たの初めてでした。

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大人になってから行く京都・奈良、尋常じゃなく面白くてヤバイです。オススメ。

 

【東京・永青文庫

 

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夏は歌仙兼定が展示されるというので行ってきた。
永世文庫本当に素晴らしかったです。
保管されているものからお屋敷の調度品の誂えからマメなお家!お屋敷の至るところに九曜紋が入っており、しっかりした『家柄』というものを感じました。もし行かれる機会があればぜひカーテンの柄を見て欲しい。私はあまりの美しさにちょっと泣きそうになってしまいました。
歌仙兼定という刀は、刀身から受ける印象は極めて武骨なのですが、キャラクターの個性でもある雅で穏やかなたたずまいはまさしくこの細川家に由来しており、国宝でも重文でもないけれど、細川家の宝として長い間大切にされてきたのだということが伝わってきて良かったです。
その後は椿山荘のアフタヌーンティーに行きまして、雅な夏の一日を過ごすことができました。 

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マンゴーのスコーンがめっちゃおいしかった


【名古屋】


ナゴ~ヤ~カモーン!(東京事変Dynamiteツアー名古屋千秋楽より)
遠征する機会が多いにも関わらず初めて行った名古屋。
メインは徳川美術館ですがその前に名古屋城本丸御殿を見学に。

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いい天気でした


本丸御殿規模でかすぎて笑った…個人的本丸イメージが大覚寺だとすればさながら本丸御殿は時の政府。回廊を歩きながら今の私は政府に呼び出された審神者…という遊びができます。
その後は徳美で骨喰藤四郎・鯰尾藤四郎を鑑賞。二振りが展示されるのは400年ぶりだとか。すごいねえ…。関係ないけど徳美はブーバーの巣(ポケGO)らしくてバス待ってる間にめっちゃ乱獲した。

 

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【京都(二回目)】


今回の主な目的は友人の結婚式でした。
丁度名物・膝丸が展示されていたので、二度目の大覚寺へ。大覚寺は雰囲気が良すぎるので、時間の許す限り居座りたくなってしまう。お花も綺麗だし、磨き上げられた廊下も枯山水も蓮の池も何もかもが美しい。池の蓮は8月が見頃だということで、また夏に行ってみたい。
春はキャラクターのパネルがおいてあった場所は刀のパネルになってました。大覚寺は緑がきれいなお寺なので、薄緑もしっくりきてます。

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膝丸は薄くてかっこいい刀でした…
寺社のオリジナルお土産を見るのも楽しみの一つ。

 

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バナナの叩き売りならぬ膝丸の叩き売り

翌日は大学時代の友人の結婚式で下鴨神社へ。人生で初めて国際結婚の結婚式に出させてもらった。本当にいい経験させてもらいました。まだまだ私の知らない日本があるなー!

 

 【広島・宮島】


いつメンの一人がミュージカル刀剣乱舞厳島神社奉納公演のプラチナチケットに当選したのでついでにみんなで遠征。
うすうす気づいてたがみんなフッ軽だな…ちなみに私はその前週推しとバミリツーショするために北海道に飛んでいた。
まずは福山美術館で江雪左文字を鑑賞。こんのすけパイセンもやってきた!

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刀を見ながら一生分のかんざし女も鑑賞。
その後市内で広島風お好み焼きを食べ(うまい)現地に向かう友達を見送り、待機組はスーパーでお鍋の買い出し。とったお宿が一棟貸しのコテージだったので、旅先とは思えないくらいゆったりした時間を過ごせました。 

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取材が入っていたようです

配信が始まる前に超特急の男祭りを(なかばむりやり)見せたところ好感触だったので嬉しかった。みんな優しいかよ。
そして肝心の奉納公演、私はミュの方は全く見たことがないのですが、刀剣乱舞というコンテンツがひとつ、偉大なことを達成したなあと思い、そのムーブメントの一つとして今回の厳島神社奉納公演というものには感動しました。その後現地のお土産話を肴に全国津々浦々から持ち寄ったつまみと鍋で酒盛りし、花丸をみながらうどんミュージカルでフィナーレです。

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