2月の記録

気づいたらまた一週間経ってしまった…。というのもですね、生活がほとんど変わってないので書くこともあんまりなくてですね…。
 

 

主な出来事としては、2月23日に英国政府から規制の段階的緩和プランが発表されたことくらい。
結論から言うと規制自体は6月21日まで続くのですが、それまでに段階的に出来ることを増やしていって、様子を見つついわゆる「普通の生活」に戻していこうという作戦ですね。現在イギリスでは飲食店の営業(ただし持ち帰りはOK)・小売店の営業・全ての学校・同じ家に住む人以外との面会および集会が禁止されています。*1買い物できる場所といえばローカルのスーパーや薬局くらいだし、美術館や映画館などの商業施設もクローズなので本当に娯楽が…無…。
そんな中唯一リフレッシュできる場所といえば公園くらい。公園は公共の富であり、全ての人へ開け放たれた庭であるという信念の下、小売店やレストランが閉まっても、公園だけは一貫してずっと開放されていました。

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よく行く公園・London Fields

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こういう思い出の残し方って素敵

とりあえず第一段階として3月8日から学校が再会し同居人以外(1名まで)と外で会えるようになりますが、お店が開いたり外食ができるようになるまではまだまだ公園が娯楽のメインになりそうなので、まだ行ったことのないところへも行動範囲を広げてみみようと思います。そして日常にささやかな喜びをもたらしてくれたベーカリーやカフェなどのスモールビジネスにも引き続きお金を落としていこうと思う。
 

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公園周辺にはかわいいベーカリーも多い
後は明らかに日が長くなりました。一番短い時期は15時すぎにはもう辺りが暗くなっていたのに最近では18時すぎてもまだ明るく、それだけで本当に嬉しくなります。これからますます暖かくなったら、去年は見に行けなかった薔薇を今年はたくさん見にいけるといいな。
という感じで2月は割と穏やかに、のんびり終わっていくのかなーと思ってたところにですよ。
とんでもないビッグバンがおきました。
 
2/26 GMT20:00、その時私はキッチンに居た。一週間の仕事を終え、夕食の支度をするため鍋を火にかけていたところに、このとんでもないニュースが飛び込んできたのである。
 
 
ヤバ!!!!!!!!!!!!!!!!
一瞬にして鼓動のBPMが最速になり、自分の意識が遠のいていくのとは裏腹に五感の全てが1km先で落ちた針の音すら拾えるのではないかと思えるほどに研ぎ澄まされていくのを感じた。全身で自分の"生"を体感するライブスペクタクルは突然に。
とにかくとんでもないことがとんでもないタイミングで起きてしまった。
私は真っ先にりつこさん*2の事を思った。ただでさえ2月のDISH//はアルバムのリリースを筆頭に露出や情報解禁が半端なく多かったのに、最後の最後にどえらいのきちゃったよ…。いっそ直電しようかとも思ったが、JSTではまだ土曜の朝5時である。最低限の理性によって思い留まり、とりあえずツイッターで叫ぶだけの人になった。
その後の顛末はおおむねりつこさんのブログに書いてあるとおりである。

superstar.hatenadiary.com

 そもそも作品がやばい上にキャストがやばく、その上タイミングまでもやばかったのでやばいの三乗により無事に狂ってしまった結果散々騒ぎ散らかしたわけですが、解禁から一週間経ちやや落ち着いたので今の心境を書きとめておこうと思いこうしてアンサーブログ(?)を書いています。
 
「マーキュリー・ファー」は、紛れも無く私の人生を変えた作品である。物語の詳述は省くが、この作品によって受けた衝撃は未だ色褪せることなく鮮烈な記憶として残っている。
そしてこの解禁によって、私の人生は再び大きく変わることがもう決定してしまった。
基本的にどんなしんどい作品でも、「もう二度と見たくない」と思うものはそうそうないが、この舞台はまぎれもなく「もう二度と見たくない」作品だった。
6年前、シアタートラムで私は全てを奪われた。全身を殴打されたかのように打ちのめされ、体中が涙を流し、疲労と憔悴でしばらく何も手につかなかった。舞台は虚構だと、ここではないどこかの誰かの物語だと分かっているのに、それなのに、決して他人事ではいられない舞台だった。いさせてもらえなかったと言ったほうが正しい。体は椅子に縛り付けられていても、こちらの精神はいつのまにか舞台に引き上げられ、登場人物と同じく切り刻まれた。演者や観客の隔てなく全ての人が傷つき、痛みの中に立ち尽くした。途中で耐え切れず席を立ち、そのまま戻ってこない人もいれば、終演後も席を立つことができず、介抱されるようにして劇場を後にする人もいた。
あれから折に触れて、もし再演されるとしたら誰がいいかなんて話しつつも、再演されたとしてこの作品をもう一度見ることはないと思っていた。何度も観ることで見方が変わったり理解が深まるような性質の作品ではないし、たった一度の観劇でこんなにも衝撃を残すものなのだから、無理に上書きしなくてもいいんじゃないかと自分の中で折り合いがついていた。
舞台というものは基本的に、チケットを取って劇場に足を運ぶという、「見たい」という明確な意思に基づいた能動的な過程なくしては見ることの出来ないものである。私はこの舞台を「見たくない」と思っていたので、「見たい」と思わない限りは見ることができないのである。当たり前だけど。そしてもう見れないのだから、この舞台は自分の思い出のなかで燦然と輝き続けるのだろうと思っていた。そんな予定が一瞬で崩れ去り、「二度と見たくない」が「絶対に見たい」に変わってしまったのだ。
 
なんせ俺たちの*3吉沢さんが主演である。更に吉沢さんは6年前、同じ事務所の仲間・水田航生さんが出演していたその舞台を客席から見ていたというのです。
かつてその舞台を見たものならばそれがどれだけのものか身を以って識っているはずである。そして見るだけでも消耗し、途方にくれるあの舞台に今度は自ら立つ側として臨むという。勿論本人の意思だけでなく様々な巡り会わせとか因果関係とかあるにしてもですよ。とんでもねえ度胸だなと言わざるを得ないわけですよ。役者としての存在感や経験も十分、大河主演を経てますます磨きがかかるであろうその芝居に満を辞してのエリオットである。高橋一生のエリオットを知りし者のエリオットである。6年前、彼の心に残した何かが血肉となって、世田谷パブリックシアターという新たな舞台に投下されるのである。楽しみでしかない。
そしてその弟・ダレン役に北村匠海。なんと初舞台である。いやあ…。
まず大前提として彼が舞台に出るという発想が無かったので、冷静になって「初舞台がマーキュリー・ファー」という事実に改めてぶっとんだ。元々北村匠海という人のことは好きで彼の役者仕事はDISH//茶の間の私でも見る機会が多かったものの、りつこさんが北村匠海およびDISH//にハマってくれたことによって私自身の解像度もあがり、結果的に彼らのことをさらに好きになれたのは本当に良かったなあと思います。やはり近くに同じ熱量を注ぐ人がいると色々感化されるしいいものである。私が超特急と出会ってからずっと新規ハイでいられたのも、同じように彼らを愛するかけがえの無い8号車との陽性の集団ヒスが続いたからに他ならないし。
とはいえ事務所の方向性や本人の意向もあって映像仕事がメインになるとたかをくくっていたので完全に虚をつかれた。「いつか舞台出て欲しいね~」とか夢見る前に現実の方が先に実現してしまった。いや本当に、こんなことってあるんだ…。そして解禁翌日に90万人がフォローしてるInstagram*4のプロフィールをしれっと「イギリス在住」に変える北村さん。好きじゃん…。きっと吉沢さん同様飛ぶ鳥を落とす勢いの彼だから、これから一年後までギッチギチに仕事は詰まってるだろうに、この舞台は数ある解禁の一つではなかった。それどころか、我々と同じ熱量をこの舞台に向けている(と思いたい。思わせて)その事実が何より嬉しかった。
共演経験も多く信頼関係が既に構築され、年齢もそう離れていないこの二人が一体どんな兄弟を作り上げるのか想像するだけで胸が高鳴る。これは完全に欲目だけど、ものすごく反響の大きかった作品であるし、再演の話が出たのも一度や二度じゃなかったと思うんですよ。ただそれが実現したのが今このタイミングであることに何か奇跡めいたものを感じずにいられない。そして二人とも内にものすごいものを秘めた役者であることは間違いないので、私の人生も彼らの人生もきっとこの舞台を経て大きく変わることが容易に想像できる。そんな人生の特別な瞬間がクロスする瞬間が訪れるなんて思ってもなかった。もう一度この舞台に出会わせてくれて、向き合う勇気をくれて本当にありがとう。「何度も出会わなくては」という言葉を反芻しつつ、震えて待とうと思います。
 
しかしこうした諸々の要素もさることながら、このヤバさの尺度を「私(とりつこさん)が大騒ぎしている」ということでどれだけのものか察してくれる人々*5がいるのは本当にありがたいことですよ。そしてこの舞台そのものに興味をもってくれることが純粋に嬉しいし、この最高の作品を最高のキャストで見てもらえる可能性が生まれたことはこのうえない喜びである。決して万人にとって口当たりのいい作品ではないけど、見た後必ず痛みだけでない何かを残すと思うから絶対に目撃して欲しいし、見た上で改めてこの解禁がどれほどの衝撃だったのかを追体験して欲しい(結局それかい)
あまり色々言い過ぎて勝手なイメージを植えつけたくないので本当に黙りたいんですが、これからも続報あるたびに生きたり死んだりすると思うからどうぞよろしくお願いします。
まだまだ大変な世の中だけど、一年後の楽しみに向かって、そして物語の舞台であるイーストロンドンで過ごせる残りの半年間を大切に、引き続き楽しんで生きていこうと思います。

*1:3/7現在

*2:突然FAKE MOTIONで北村匠海にハマり大変なことになっている人。今回の解禁で案の定大変なことになった。

*3:敢えて言おう、俺たちの吉沢さんであると。

*4:2/27に投稿された本人コメントも激アツなのでぜひ見て欲しい

*5:持つべきものは長期フォロワー