1月の記録

今年から日記は無理なのでせめて月記をつけようと思っていたのに早速忘れていたので慌てて書きました。まだ一週間だしセーフだよね。という訳で1月の記録です。
 

 

 

1月のロンドンは規制面では12月とほぼ変わりませんでした。なので生活にもこれといった影響はなかったのですが、仕事が新体制になって精神的負担が大分減ったことが大きな変化でした。
ただでさえ仕事以外することがないのにその仕事がクソという無間地獄にようやく光が差した…。どんなに遅くとも定時+1時間以内には業務が終わるようになり、平日でも大分自分の時間がもてるようになりました。いやそれが本来当たり前なんですけどね?!
そんなタイミングで1月の100分de名著マルクスの『資本論』だったのですが、これがかなりタイムリーな内容で、自分の今後の働き方、ひいては仕事を通じてどのような人生を歩んでいきたいかを考えるきっかけになりました。一番印象に残ったのは、【自分の裁量でできない仕事は一生雇用者の言いなりになる】という部分(第2回「なぜ過労死はなくならないのか」より)。これはつまり、産業革命による機械化で機械が人間の仕事の「内容」を奪ったことにより単純労働や替えの利く仕事が蔓延し、そうした仕事をやっていると結局は自分じゃない人間がやっても同じなのでいつでも首を切られるという恐怖がつきまとうことになる、そうならないためにはどうすればいいのか?という内容でした。私は今翻訳の仕事をしていますが、この仕事も機会にとって代わられると言われて久しく(実際にやってみるとそんな簡単なものではないとわかるのですが、機械翻訳の精度が上がっているのも事実)将来自分の仕事が機械に奪われずかつ人間に使いつぶされないためにどうすればいいのかというのを考えたときに、専門技術を磨いたりニーズのある分野を開拓していくしかないのかな~とぼんやり思ったりしました。この仕事自体はとても楽しいです。
あと「暴走する資本主義に歯止めをかけるのは賃上げではなく労働時間の短縮でしかない」というのも真理。長時間労働が常態化している割に日本のGDPG20の中でも最下層なのはずっと気になっていたし、自分の時間が生まれることによる「豊かさ」を実感したことですごく納得したのでした。
そんなわけで大分精神的にも体力的にもにもゆとりがうまれたので1月は映像作品を色々見ることができました。せっかくなのでそれらも記録しておきます。(以下ドラマドキュメンタリー/教養映画その他で色分け)
 
あたらしいテレビ(2021年:NHK
テレビはもうオワコンなのか、テレビというメディアでしかできないことはなんなのかという問題提起によって、自分がテレビという媒体に何を望むのかを考えるきっかけになった。様々なプラットフォームで展開される映像メディアの多様性と可能性を鑑みても、やはりテレビの持つ影響力はまだまだ大きいと思うし、積極的に価値観のアップデートを促す存在であってほしいと思います。あと番組内でも取り上げられた恋愛リアリティーショーの是非については、個人的には出演者を守る手段や「リアリティーショーという建前と矛盾しない方法で虚構が含まれるという注釈を全面的に出せない問題」の解決策が確立されないうちはやるべきではないと思う。
ライジン若冲(2021年:NHK
眩~北斎の娘~(2017年:NHK

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葛飾北斎の三女にして女流絵師・お栄の生涯を描く物語。NHKの文系大河は本当にはずれがない。宮崎あおいちゃんはどんな役であっても彼女が演じることの説得力を役に与えられるのがすごい人…。お栄の兄弟子であり想い人である松田龍平の渓斎英泉がまたいいんだ。
 
長谷川博己のルーツが山陰にあったことに麒麟との縁を感じて胸アツだった。それにしてもお父様の若い頃が今のハセヒロさんと瓜二つですごい…。
 
Natural History Museum WORLD OF WONDER(2021年:Channel5)視聴中

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世界最大級の自然史博物館を支える研究者やスタッフに密着したドキュメンタリーシリーズ。第一回はシンボルである巨大シロナガスクジラの標本「ホープ」の管理の大変さやホープに魅せられた海洋学者の特集が中心で、見ごたえあって面白かった。ロックダウン前に一度行ったけど本当に素晴らしい博物館です。
 
100分de名著スペシャル・萩尾望都(2021年:NHK
萩尾作品の内包する世界の広大さと一貫性に唸る。高度経済成長期の生産主義=男性主義に対するアンチテーゼがポーの一族だとか、少女ではなく少年を主人公としたときの制約のなさに萩尾先生が驚かれた話とか、なるほどな~と思う話がいくつもあった。
100分de名著・資本論(2021年:NHK/全4回)
A Very English Scandal(2018年:BBC/全3回)

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英国でまだ同性愛が有罪だった時代、愛人との姦通を隠すため殺害を企てたとされる議員ジェレミー・ソープの実話に基づく物語。ベン・ウィショーくん演じるノーマン・スコットは幸せを得るそばからかすめとられていってかわいそうなんだけどなんだかんだいろんな人に愛されていて、最後はなぜかジェレミーの人生を想って切なくなってしまう。

The Death of Stalin(2017年)

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独裁者スターリンの死をきっかけに連邦政府内で巻き起こる泥沼の権力争いを描いた猛毒のブラックコメディー。とにかくvery strong language, prolonged violence and full of conspiracyでむちゃくちゃだけど個性派役者陣の芝居が良い味だしてる。ただし登場人物の名前を覚えるのが最高難易度。ジェイソン・アイザックス演じる陸軍総司令官のサディスティックな風貌にトキメキが止まりません。

俺の家の話(2021年:TBS)視聴中
サイコな二人~天国と地獄~(2021年:TBS)視聴中
30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい(2020年:テレビ東京/全12話)
Ru Paul's drag race UK(2019年:BBC)視聴中

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推しはDivina De Campo(左端)とCrystal(左から3番目)。本家はSeason 1の途中までしか見てないけど、UK版には19歳でガールフレンドがいてショー未経験だけどインターネットで全てを会得した新世代のクイーン・Scaredy Kat(右から4番目)とか、超強烈なコメディクイーン・Baga Chipz(左から2番目)とかいて面白いです。クイーンたちの世代に結構開きがあるので、ワークルームでの会話からそれぞれのドラァグに対する考え方や自身がドラァグを始めた当時の時代背景が伺えて興味深い。あと課題も女王陛下だったりボンドガールだったり英国要素ももりもりで楽しい。Season2もかなり個性的なメンバーが参戦してるっぽいので楽しみです。
 
こんな感じかな。
ロックダウンは3月上旬あたりまで続きそうなので、引き続き病まないよう心に栄養を与えつつ元気に2月を乗り切りたいです。おわり